・飲む
新宿に居ると外国に来たような気分になる。外国に行ったことはないけれど。二十分遅れの待ち合わせをして、歩き回って、ジビエを食べた。カンガルーはなんとなく砂っぽい味がした。最近の話、未来の話、過去の話をひとしきり終わらせた頃には終電がなくなっていた。まだ食べたりない感じはお互いにあり、天一に行ってこってりを頼んだ。店内にRADWIMPSが流れてきて、そういえば「天気の子」を見たいのだったと思い出し、レイトショーに行ってみた。26時台でも上映されていたので、喜んでチケットを買って2時間後。夜に映画を見るのは新鮮で、飲んでいたお陰でいつもより単純に鑑賞できた気がした。漫画喫茶に泊まろうとしたらどこも人で埋まっていて、椿屋珈琲でずるずる濃い目の黒い液体(僕らはあれをコーヒーとは呼ばなかった)を飲みながら感想を交換した。5分に1回話を抽象化する癖のある人なので、文脈に追いつくだけで大変だったけれど、楽しかった。将棋の手数は総当たりで何手なのか、Yahoo知恵袋で調べながら「ここまで追体験するなんて」と笑った。

・天気の子
忘れないうちに感想を書いておきたい。小道具について。銃とか指輪とか。あと、手錠。銃については、存在してることが気になった。指輪については、大事な場面で使われるべき、と思ったが、そのままスルーされてたりして、気になった。手錠についてはもう、「使え!今使え!そら!・・・・使わないんかーい!」となって面白かった。
補高の過去が一切描かれない。家出少年、というのをドラマに出そうと思ったら、普通家出の理由が物語のどっかで語られるものだけど、ゴドーを待ちながらみたいな感じで結局触れられないままになる。意図的にやってるなら物凄くバッサリしたなという感じ。動機はずっと恋心。
須賀の感情の起伏が分からない。一番複雑に練られているのに、ちょっとキャラクターが分からない。残念だった。
ひなちゃんはずっと可愛かった。漫画チックなお色気シーンとか、ありがちなドギマギの掛け合いは見ていて恥ずかしい気持ちになった。お風呂上がり可愛く描きすぎではないか。
映画通して面白かった。雲すごい。さかながキレイ。花火のレイヤー通した街の3D感が少し気になった。下敷きは、神への供物を奪う人間、っていう神話。「この絵が描かれた800年前、って言っちゃうところが新海誠だね」という意見をもらってすごく納得した。設定としての年数を出しちゃうのだ。それも登場人物の口から。分かりやすい。