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新人研修とブーブー的知恵

春がぶんぶん飛び回っていますね。
昨日は少し暑すぎた気がします。

パリッと新生活が始まった人もいれば、だらっと緩い幸せが続いている人もいると思います。
僕は前者でした。去年の今頃は、毎朝5時半に起床して満員電車に揺られるなんて考えてもいませんでした。
2年も余分にモラトリアムを過ごしていたので、すっかり染み付いた魂の癖と戦っています。

眠い目を擦って会社に行っても、やることはまだまだ学生の延長みたいなものです。
何日も、多種多様な話を聞いて、為になる知識、ならない知識など頂戴しております。

会社の研修というのは、社会人としての心構えに始まり、
ビジネスマナー、会社の構造、業務講習、実践投入とかに大別されるものと思います。

心構えの点では、これは本当に人それぞれです。
志は人それぞれあり、金をもらえればよい者、ただただ研修教育に期待する者、勉強熱心な者。
これから人に揉まれて丸くなった時、核になる部分を養うためのようなお話ばかり聞きました。
その時々で、それなりに頑張っていた記憶が欲しいなあ、と思いました。
大学での記憶が一つもないので。

ビジネスマナーは難しいです。
会社というか、須らく人の集まりは、異質なものを嫌いたがるようです。
これから一緒にやっていく新人が阿呆に見られたら困るので、せめて恰好だけは付けさせる。
そういう意気込みの下で行われている感じです。

自分は自分、他人は他人。
寛容なしにそう言ってのける人に礼儀はありません。
寛容さがあっても無礼講がせいぜいなので辛いところです。
常に相手のことを考えていないと礼は尽くせません。
考えずにやれる人を見ていると、心から尊敬してしまいます。しゅごいのです。

個性という概念を昔からよく考えます。
金髪は個性的ですが、個性ではないです。
金髪なのにめっちゃ礼儀正しいとかが個性のように思います。
要は型があり、その逸脱の仕方が問題であって、型そのものを個性としてはならないのです。

就活生が一様に同じ恰好なのを見てゾッとすると思いますが、一時間くらい話せばきっと顔も覚えられます。
そんな感じです。

集団の中で上手くやっていけるかどうかというのは、学校生活で上手くやれていたかが、一つ基準としてあると思います。
切ない話ですが、なんだかそういうのが実感として他人の中に見えてしまう時があります。

ワルだった自慢する人もそれなりに友達がいて、
優等生だった自慢する人もそれなりに友達がいたのだと思います。

ただただ友達作りが苦手だったばっかりに嫌われてしまって、友達が居なかったということをこじらせて
一周して友達いなかった自慢をされてしまいます。

そういう人にとっても生きやすい環境があればいいのにな、と思うのですが。

ビジネスにおいて、嫌われないことがとても大事にされているのだと感じます。
だからこそマナー研修では最低限のプロトコルを実装させるのです。
それでも魂の癖まで脱臭できるわけではないようです。

実際の業務の講習となると何を質問したらよいのか格段に難しくなります。
教科書的なことをもとに教えられるのですが、そもそも我々にはそれがどう役に立つのか分かりません。
講師も教養として教えている場合と、必須知識として教えている場合と、切り分けられていないところがあるようです。

子供のころ、どうやって車という概念を覚えたでしょうか。
まず外見としては、黒いタイヤが4つ付いている乗り物です。
我々はそれを「ブーブー」と呼んでいました。記憶にはありませんが。

大きい小さいの概念を手に入れると、ブーブーでは足りなくなってきます。
「ダンプ」「バス」「クレーン車」
社会的概念を手に入れれば、
「救急車」「消防車」「パトカー」
抽象概念を理解すれば、
「普通車」「大型自動車」「軽自動車」
そのような認識の深度みたいなものに沿って、我々は車を理解してきました。

業務知識として、我々に教科書的に与えられる知識は「普通車」と「軽自動車」の違いのように、
実際的で厳密な区分の存在するものです。

問題は我々にとって、それがどのように重要な知識なのかが分からないことです。
それで以下のような質問が生まれます。

「救急車は高速道路を走行できるのでしょうか?」

そのような知識は、実際ほとんど要らないものですが、講師は真面目に答えたりして、
議論がどんどん沼化していってしまいます。

我々に求められているのは、「ブーブー」的知恵なのです。
業務の中で区別区分を認識すればよい。

誰かが倒れているときに、119を携帯で打ち込んでブーブーを呼べればその人は助かるので、
そこでブーブーが救急車であろうがパトカーであろうがタクシーであろうが、「助ける」業務にはなんの問題もありません。
まして高速道路を走るときの料金の話なんてどうでもよいことです。

なにが分かっていればよいのか、分かれば一番早いのですが。
ともかくも、新人としてはいち早くブーブーしていきたいと思います。