愛は

不在票が投函されていた。

誰かが愛をここまで運び、また持ち去ったのだった。

私は手始めに電話をかけた。

業務時間は過ぎていないが、5分以上もコールが続く。

やがて男性が出た。

「直接受け取りに行きたいのですが」

「配達ご希望日時はございますか?」

「違う!」

私は強く否定した。

今、これから愛を受け取りに行くのだ。

「追跡番号をお願いします」

私は愛の追跡番号を伝えた。

少々確認して折り返します、とだけ言い置いて、男性は電話を切った。

ところが、30分経っても連絡がない。

愛が受け取れるのは21時までだ。

居ても立ってもいられず、私は家を飛び出した。

愛の所在は分かっている。

集荷センタに着くと、かろうじてまだ明かりがついていた。

愛を受け取るための本人証明書はありますか?

係員はそう言って、私を疑いの目で見てくる。

まさか誰かに何かを証明する必要があるなんて!

念のために公共料金請求書を持参していてよかった。

そのようにして、私はようやく愛を受け取ったのだった。

愛はワレモノ注意で扱われ、

常温OKとして運ばれ、

コールセンタからの指示で、集荷センター止めされていた。

愛は包み紙で包まれており、

その柄から伊勢丹で購入されたことが分かり、

1日遅れてようやく届いた。

差出人の書いた宛先の、なで肩の文字が

何にもまして可愛らしいのだった。


雑記-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

「ジャンプ卒業したオレ」の人と、「WANIMA嫌いなオレ」の人
どっちが多いかな。