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2013/05/31酔っぱらいと火の話

 酔っぱらいを火に近づけてはいけない。明らかなことだ。火の扱いには細心の注意がいる。少しでも扱いを間違えれば、小さな火種が大きな災厄になる。酔っぱらいが火を扱うなどしてはいけない。酔っぱらいは火の危険性についての感覚が鈍い。酔っぱらいの体内におけるアルコールの割合は、シラフの人に比べると高い。酔っぱらいは燃えやすい。酔っぱらいは火に近づけてはいけない。あるいはこんな言い方もできる。「大抵のモノは火に近づけてはいけない」なぜなら大抵のモノは火に近づけると燃えたり溶けたり傷んだりする。酔っぱらいもその例に漏れない。ある酔っぱらいは燃えた。ある酔っぱらいは溶けた。ある酔っぱらいは傷んだ。悲しい事件が二度と起こらないように、僕たちは口を酸っぱくして言わなくてはならない。酔っぱらいを火に近づけてはいけない。
 わざわざ自明なことを書くのは先日酔っ払って火傷をしたからだ。これで二度目になる。一度目は、なぜか花火が掴めるものであると勘違いして掴んでしまった。火でできた花とはいえ、花は花だろうと思っていたフシがあった。結局のところ火は火だった。二度目は、タバコを手で消してしまった。つい昨日のことだ。根性焼きのなりそこないみたいな斑点が僕の手の甲にいまも残っている。喉元過ぎれば熱さを忘れる。酒飲み過ぎれば記憶をなくす。痛い思い出覚えていたい。日記を書くのも酔っぱらい。寝る。